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国際標準としてのXBRL

XBRLの組織

XBRLのコンソーシアム活動には、45カ国以上、約650の企業・団体が参加しており、世界規模での協力の下、XBRL言語の開発・普及を行っております。
各国におけるXBRLコンソーシアムには、会計士協会、情報ベンダー、ITベンダーなど様々な組織・企業・団体が参加・協力して運営に当たっているほか、会計基準を制定する上で重要な役割を担う国際会計基準審議会(International Accounting Standard Board:IASB)が活動に参画している点も普及の大きな力となっています。

正会員(Established Jurisdiction)

オーストラリア ベルギー 中国
カナダ デンマーク フランス
ドイツ
国際会計基準審議会(IASB)
インド アイルランド イタリア
日本 韓国 ルクセンブルグ
オランダ 南アフリカ スペイン
スイス スエーデン アラブ首長国連邦
イギリス アメリカ        

準会員(Provisional Jurisdiction)

フィンランド

関心を表明している国々

アルゼンチン、チリ、コロンビア、ブラジル、ギリシャ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、カタール、バーレーン、サウジアラビア、クェート、オマーン、イラク、トルコ、ニュージーランド、ナイジェリア他

直接会員(Organisational Direct)

ACRA:Accounting and Corprate Regulatory Authority of Singapole
AICPA
Aptara
Association of National Accountants of Nigeria
Bank of Indonesia
Business Reporting – Advisory Group
Canopach, Inc
Colcomgroup, Inc
Data & Scientific Inc.
Deloitte Innovation BV
FDIC
Fortnox Internatinal
Fujitsu Ltd. (富士通株式会社)
Institute of Management Accountants (IMA)
INVOKE
IRIS Business Services LTD
ISTANBUL STOCK EXCHANGE
Oracle Corporation
PricewaterhouseCoopers LLP (US)
Zebra Group

XBRLインターナショナル

ガバナンス体制

XBRLインターナショナルでは、従来、国際運営委員会が中心となり、運営を行ってきましたが、非営利のコンソーシアムとは言え、その活動が世界的に急速に拡大してきたことから、ガバナンス体制の強化を図るため、2009年4月に理事会を設け、次いで2011年9月に国際運営委員会を廃止し、会員総会(Member Assembly)をあらたに設けました。この結果、会員総会と理事会を中心とした運営を行っています。

会員総会(Member Assembly)

会員総会は理事会を監督する機関であり、会員の利益を代表する機関となります。会員総会は、XBRLインターナショナルの次の事項に関し、議決を行うこととなっています。

  1. (a)推薦名簿に記載された理事候補者からの理事の選任、信任
  2. (b)年度予算案の承認
  3. (c)決算報告事項並びに監査報告の承認
  4. (d)会則(Bylaws)の変更に関する承認
  5. (e)定款(the Articles of Incorporation)の変更に関する承認
  6. (f)推薦過程及び選任過程の変更に関する承認
  7. (g)推薦委員会(the Nominations Committee)の委員及び委員長の選任
  8. (h)財務委員会(the Finance Committee)の委員及び委員長の選任
  9. (i)会員拡大委員会(the Membership Development Committee)の委員及び委員長の選任
  10. (j)その他法律および会則により必須とされる事項の承認

この他、会員総会は理事会より報告を受けることができ、この報告の中には会員へ伝達すべき事項が含まれることとされています。

会員総会は事前に登録された代表者から構成されますが、会員総会の5日前までに事前に登録された代表者より変更を申し出れば、代理を指名することも出来ます。2013年9月現在、事前に登録された日本代表はMr. Jun Owada(大和田 淳氏)となっています。

また会員総会は年2回開催されることとなっており、春と秋に開催されるXBRL国際会議にあわせて開催されるのが通例となっています。

理事会(Board of Directors)

理事会は、XBRLインターナショナルの戦略的ガバナンス(Strategic Governance)体制の要であり、金融、ビジネス、規制当局へ報告、会計基準策定などの分野における幅広い国際的な経験を有する専門家から構成されています。理事会は、XBRLが国際的にますます普及する結果として生まれる戦略的な課題に関して助言し遂行を補佐する役割を果たします。理事会は、規制および会計基準の動向を踏まえて、XBRLがソリューションとして使われる機会を明らかにし、XBRLインターナショナルが長期的に成長し持続するための戦略を立案します。
理事会は、地域別会員代表と直接会員代表からそれぞれ3名、一般代表から4名、財務担当者(Treasurer)1名を含む合計11名で構成されています。理事の任期は1年、再任が認められ、最長2年の任期を務めることができます。
理事会は、会長(Chair)を指名し、会長の任期は2年となり、再任は認められていません。

理事会のメンバーは次の通り(2015年11月時点)

Cees De Boer, Chairman
John Dill, Vice Chairman
HE Mohammed Al-Hadari
Leng Bing
Hans Buysse
Makoto Koizumi
Stephen Lindsay
Michal Piechocki
Robert M. Tarola (Treasurer)
Andreas Weller

実務体制

XBRLインターナショナルにおける実務は、スタンダード・ボード(XBRL International Standards Board, XSB)およびベスト・プラクティス・ボードという2つのボード、サブ・コミッティー(Subcommittee)及びワーキング・グループ(Working Group)により運営されています。スタンダード・ボードは2006年に、またベスト・プラクティス・ボードは2008年に設置されました。
ワーキング・グループには、希望する会員は誰でも参加できます。

スタンダード・ボード(XBRL International Standards Board, XSB)

XBRLインターナショナル・スタンダード・ボード(XSB)は、コンソーシアムの技術文書を策定する責任を負っています。すなわち、世界中でXBRLの採用が促進されることを目標として、新たな文書の作成の優先順位をつけ、すべての文書が一様に高い質であることを保障する役割を担っています。
XSBは、BoDの監督下で、以下の目的に向けて活動しています。

  1. ・XBRLインターナショナルの技術文書の質、一貫性、安定性を高めること
  2. ・XBRLインターナショナルの標準規約の策定プロセスのオープン性と公式性の水準を高めること
  3. ・プロセスの管理をより一層活発に行い、相互運用性の改善を図ること。それにより、XBRLの採用が加速することが期待されています。

これらの目的が達成されるためには、各ワーキング・グループの運営を明確に規定することが重要であり、XSBによって作成されたワーキング・グループ運営に関する文書は、コンソーシアム活動を統制する重要な役割を担っています。
XSBについては、2006年に正式に承認された文書にその役割が記されていますが、XBRLの基本的な仕様および関連文書の変更を意味するものではありません。XBRLの安定性は、XSBおよび標準規約自体の成功に関する重要な判断基準のひとつです。XSBは、責任を負う活動計画のロードマップを発表していますが、これからも随時発表されることになっています。

ベスト・プラクティス・ボード(Best Practices Board, BPB)

ベスト・プラクティス・ボード(BPB)の目的は、XBRLの開発、実装、統合および仕様の使用に関する手法や手順についての成果物の作成と配布、並びにその継続的改良を管理することにあります。BPBはBoDに対して説明責任を負っています。BPBの主な役割は、以下のようなプラクティスに関しての発表を承認することにあります。

  1. ・XBRLに関する開発、実装、統合、維持、利用等
  2. ・ただし、既存または開発中のXBRL標準規約はXSBの責任範囲にあるので対象外とする
  3. ・また、XBRLインターナショナルまたはジュリスディクションの運営ないし組織の側面に関する意見や提案も対象外とする

これらを達成する上で重要なのは、本コンソーシアムの活動を統治するための文書の一つの中で規定されているプラクティス・ワーキング・グループを設立することです。
BPBはまたこうした発表の草案を起草し、広く意見を聞く責任を負っています。また、BPBはディスカッション・ドキュメント、成果物のロードマップ、その他ワーキング・グループのメンバーを拘束しない文書を自由に発表する資格を与えられています。
2008年3月に正式に承認されたこのボードは、ISCによって任命された8名のメンバーから構成されていますが、XBRL仕様の変更を意味するものではありません。

ワーキング・グループ

現在、XSB傘下にAbstract Modelling Task Force、Base Specification and Maintenance WG、Comparability Task Force、Formula WG、Rendering WG、Versioning WG、XBRL GL WG

Abstract Modelling Task Force
本TFは、UML(Unified Modeling Language)をもとに、XBRL Spec2.1、Dimension1.0の仕様の意義を明らかにするための開発を行っています。

Base Specification and Maintenance WG
このワーキング・グループは、XBRL2.1仕様の権威ある解釈を提供し記述するとともに、正誤表の発行とXBRL2.1適合検査仕様を拡張することによって問題の解決を図っています。

Comparability Task Force
異なるタクソノミ間でもインスタンスの比較が可能となるよう、ビジネス上の観点から比較を行うために必要な事項の定義を開発しています。

Formula
XBRLフォーミュラ・ワーキング・グループは、XBRLでフォーミュラ(計算ロジック)を記述するためのXBRL拡張仕様を開発しています。

Rendering WG
XBRLレンダリング・ワーキング・グループは、XBRLインスタンスの内容をエンドユーザーのために表示する標準規約を開発しています。当初はレンダリングに関する市場の要求を分析した結果に基づいて限定された要求を取り上げます。

Versioning WG
XBRLフォーミュラ・ワーキング・グループは、XBRLタクソノミのバージョンの違いを明らかにしてレポートを作成する標準規約を開発しています。

XBRL GL (Global Ledger) WG
GLワーキング・グループは、グローバル・レジャー・セマンティック・フレームワークの開発と普及促進を行っています。このフレームワーはXBRLタクソノミをその主たる表現技術として使用します。XBRLグローバルレジャー・フレームワークは、トランザクションで発生してレポーティングに至る財務および非財務データを表します。XBRL GLは、ビジネストランザクションおよびマスターファイルにタグづけし、あらゆるレベルでのサマリーを作成できるようにすることにより、企業の透明性を高めます。

以上に加えて、XBRLインターナショナルでは、次の分野における取り組みが、現在BPBの配下でPractice WG(PWG)として活動しております。

Project Listing Database Task Force

Taxonomy Architecture Guidance Task Force

Taxonomy Recognition Task Force

また、BoDの監督下に次のCommittee 及びWGがあります。

Nominations Committee
BoD,XSB,XBPの候補者にふさわしい人材のリクルーティング、推薦、会員総会における選挙管理を担当しています。

Finance & Human Resources Committee
予算案の作成、予算の執行状況のレビュー、予算の配分に関する助言等をBoDに対し実施しています。この他、年度決算案のレビューを実施しています。

Membership Development Committee
新たにXBRL組織を立ち上げようとしている国々が準会員(Provisional Jurisdiction)になれるように相談を行う他、Direct Memberの候補となる組織の特定と働きかけを実施しています。
本委員会のもとに、南米諸国でのXBRL普及を目指したLatin America TF、同じくアジア諸国対象の Asia round tableが設置されています。この他、(ペルシャ)湾岸諸国向けの会議/TFの設置の検討が開始されました。

Assurance Committee
本Committeeは、企業の財務報告にXBRLを使用することに関連して監査人向けの基準とガイダンスの開発においてIAASB(International Auditing and Assurance Standards Board)を支援することを目的とします。
また、IAASBとの強力な連携による共同作業を通じ、本Committeeは、IAASB、監査人及び他の関連する資本市場の参加者により使用する成果物を共同で開発することで、標準の開発プロセスを支援します。

Regulatory/Government Special Interest Group
規制当局や政府機関へXBRLの採用を働きかける活動を実施しています。

Strategic Planning Committee
XIIの今後の方針を左右する戦略事項に関する検討を担当します。

Certification Board
XBRL Certificate program(XBRL認定プログラム)の開発にかかる助言及び最終試験問題に関する承認を担当しています。