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コンソーシアム活動のメリット

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コンソーシアム活動のダイナミズム

オープンソース開発プロジェクトについて書かれた「伽藍(がらん)とバザール」(エリックレイモンド著1997年)という論文がある。リナックスが、どのようにして開発されたのか、それを分析し中央集権的なソフトの作り方(伽藍方式)ではなくて、バザール(市場)のように人々が集うところで行うソフトウェア開発の新しい手法を紹介したものだ。(上司の作ったプロジェクト計画表にしたがって、レンガを積み重ねて伽藍を構築するようにコンピュータ・プログラムの一部分を作るのが伽藍方式だとすれば、バザール方式は、技術にこだわりを持つ多くのプログラマーたちの情熱に支えられたソフトウエア開発手法である。)

XBRLのコンソーシアム活動は、バザール方式の流れを汲む活動である。

なぜ、人はバザールに集まるのだろうか? そこは、人々が、情報を交換できる場所であると同時に、ものを売り買いできる場所だからである。XBRLコンソーシアムにもその両方がある。XBRLコンソーシアムでは、財務情報に関わりをもつ人々が、業種・業態を超えて集まり財務データをより迅速かつ便利に使うにはどうしたら良いかを検討する。

そこには、ソフトウエア開発者はもとより、会計の実務家、銀行、当局者、コンサルタントらが集っている。つまり、競争相手や顧客がそれぞれの思惑を背景に、協同の精神で集まってダイナミックな呉越同舟が形成されているのだ。

コンソーシアムは、バーチャルな会社である。

コンソーシアム内部は、各ワーキンググループが、意思決定機関・開発部門・研究部門・広報部門等の役割を果たしており、コミュニケーションは、定例のミーティングのほか、専用のメーリングリストによって情報交換が頻繁に行われている。つまり、コンソーシアム活動とは、インターネットを利用して異なる会社に属する人々の知恵と心をモチベーションによって有機的に結合させたヒューマンネットワークなのである。

メンバーは、このヒューマンネットワークの存在こそコンソーシアムの財産と認識している。

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