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XBRLの仕様・規約

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XBRLの仕様・規約

規約(Specifications)

XBRL文書(タクソノミ文書およびインスタンス文書)のための規約です。
すべてのXBRL文書が準拠しなければならない基本規約(XBRL 2.1 Specification)とその拡張規約群に分けられます。

  1. (1)XBRL 2.1 Specification
    XBRLの基本規約です。修正版がerrataとして随時公開されています。
  2. (2)Link Role Registry
    タクソノミ文書やインスタンス文書の中で利用することができる一連の情報セットを共有・有効利用するための枠組みです。登録されている値を利用してタクソノミ文書やインスタンス文書を作成することで、報告データの再利用性が高まります。
  3. (3)XBRL Dimensions
    2次元の表など、複数の軸を持ったデータを表現するための拡張仕様です。
    修正版がerrataとして公開されています。
  4. (4)Generic Links
    XBRL 2.1 Specificationでカバーされないビジネスルールやレンダリング情報などの新しいメタデータを表現するリンクベースの基盤となる拡張仕様です。Formula SpecificationとTable Linkbase Specificationは、このGeneric Links仕様の上に定義構築されます。
  5. (5)Formula Specification
    各タクソノミに沿って作成されたインスタンス文書に対して、ビジネス的な観点から計算結果を得たり、評価ルールを記述するための拡張仕様です。インスタンス文書の作成者と利用者の間で評価ルールを共有することで、提供されるインスタンスの品質を向上させることができます。
  6. (6)Function Registry
    上記のFormulaで定義する計算式、チェック式などで利用する関数を、登録・共有するための枠組みです。Function DefinitionsおよびXBRL Registry Specificationに則って登録します。
  7. (7)Versioning Specification
    XBRL 文書の二つのタクソノミの間の差分を記述する形式を定義する拡張仕様です。タクソノミの改版に伴う変更内容をタクソノミ作成者と利用者の間で共有することができるようになります。
  8. (8)Table Linkbase Specification
    XBRLデータの表示・編集のためのテーブル構造を定義するための拡張仕様です。
  9. (9)Inline XBRL
    インスタンスの情報を、HTMLに埋め込むための拡張仕様です。Inline XBRL形式はWebブラウザで参照することができるため、人間が読めるとともにコンピュータがデータとして処理することもできます。
  10. (10)Extensible Enumeration
    列挙型を定義するための拡張仕様です。
  11. (11)Generic Preferred Label
    タクソノミの表示リンク以外のリンクに優先ラベル(Preferred Label)を指定するための拡張仕様です。
  12. (12)Data Type Registry
    タクソノミに定義される各要素のデータ型に関する仕様です。
  13. (13)Units Registry
    インスタンス文書によって報告される数値の単位に関する仕様です。各国の通貨、長さや重さ、エネルギーなど様々な単位が標準で定義されています。

ベストプラクティス

XBRLによって表現される財務情報(XBRL FR)は、タクソノミ文書とインスタンス文書から構成されます。タクソノミ文書、インスタンス文書とも、XBRL仕様に準拠した文書を自由に作成することができますが、記法に一貫性がある文書を作成するためのガイドラインがあれば、より効果的にXBRL文書を利用できるようになります。これらのガイドラインも技術サポート仕様としてXBRL Internationalによって用意されています。2013年8月31日現在、以下のガイドラインが公開されています。(なおこれらのガイドラインは作成されてから時間が経過しており現状に合わせるよう更新作業がXBRL Internationalにて行われています。)

  1. (1)FRTA(Financial Reporting Taxonomies Architecture)
    各国のGAAPタクソノミなどの財務レポート用のタクソノミ文書のガイドラインとして2006年3月20日版のFRTA 1.0 (Financial Reporting Taxonomies Architecture)が勧告として公開されています。XBRL Internationalから承認(Approved)されたタクソノミ文書として認定されるためには、このFRTAに準拠して作成する必要があります。2011年5月16日に修正版のFRTA 1.5が公開草案として公開されています。
  2. (2)FRIS(Financial Reporting Instance Standard)
    インスタンス文書のガイドライン文書としてはFRIS (Financial Reporting Instance Standard) が用意されています。この文書はXBRL Internationalで公開草案として公開されています。
     

また、発行主体はXBRL InternationalではなくIFRS Foundationになりますが、2011年4月19日にGlobal Filing Manual(GFM)も公開されています。これはもともと、企業の財務情報等の開示に極めてよく使用されているIFRSタクソノミ、EDINETタクソノミ、US-GAAPタクソノミ間の国際的な相互調和、比較可能性の確保を目的としたITA(Interoperable Taxonomy Architecture) Projectの成果物として公開されたものです。タクソノミ設計に関する汎用的な規約として尊重されており、同日以降公開されたタクソノミ(例えばEDINETタクソノミ)においてはGFMが定める規約を極力遵守するように設計されています。

タクソノミ

グローバルに開発されたタクソノミは、XBRL Internationalによる認識プロセス(Taxonomy Recognition Process)において、XBRL2.1のバリデーションをクリアし、必要なドキュメント類が整備されている等の諸条件を満たした「認知(Acknowleged)」という状態と、「認知」状態を経過しFRTAのタクソノミ検証を通過した「承認(Approved)」という状態に大別されます。(http://www.xbrl.org/FRTaxonomies)なお、先述の通りFRTA自体が見直しされようとしているため、現在XBRL Internationalにおいて新規の承認は行われていません。
国内のタクソノミ以外にも、例えば以下のような標準タクソノミが開発され、XBRL InternationalのWebサイトに登録されています。

  1. (1)XBRL GL (Global Ledger)
    勘定科目、会計仕訳、勘定残高などの会計・財務情報を表現するためのXBRL タクソノミです。2007年4月17日にXBRL Global Ledger Frameworkとして正式に勧告化し、2015年3月25日に最新版が公開されました。
  2. (2)IFRS (International Financial Reporting Standards)
    国際財務報告基準(IFRSs)に基づくタクソノミです。2015年版のタクソノミがXBRL Internationalにより認知されています。
  3. (3)US GAAP (Generally Accepted Accounting Principles in the United States)
    米国会計基準(US GAAP)に基づくタクソノミです。2015年版のタクソノミがXBRL Internationalにより承認されています。

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